集合念積体
『大童 -おおわろ- 』が祀られている
現在の牛山
人の立ち入らない
冬季に隆起したと思われるが
わずか数ヶ月間に
トウヒ等の樹木が繁茂し表面を覆った。
ガイアをはじめ
いろいろな航宙機の
感応兵装に使われている
- 念積体 -
について
生物はなぜ『生きよう』
とするのか?
念積体とは
太陽系生物の生存本能の
源とも言われている
”有機侵食輪廻体”
-ゆうきしんしょくりんねたい-
※注1
不定形の高次元現象塊である。
機体外装部に取り付けられた
念積体の憑侵媒質
有史以来様々な神話に
生魂(いくたま)星童(ほしわろ)
等の記述
また宇宙飛行士の神秘体験として
その存在が予見されていたが
US昭和31年
日本の大台ヶ原西大台地区南
※注2 に
露出部直径380m
階層型蜂の巣状の拠り代に宿る形で
未知の高エネルギー活動体の
隆起が発見される
吉野熊野国立公園の中心に
位置する標高1300~1695m
年間雨量が4500mmを超える
原生の森
以後
調査員の原因不明の発狂
突然の消失、器機の亜生命化等
初期段階で危険が認識されて
いたにもかかわらず
断片が世界中に持ち去られ
まもなくその異形の力の制御を巡り
各地で紛争から戦争へと拡大
すぐさま実戦にて
兵器転用されるに至る
大戦初期に猛威を振るった
B-36-ne
念積体は退役予定機を
不落の要塞に変えた。
戦火が主要先進国はもとより各地軍閥
武装勢力による非対称戦争にまで及び
”念積大戦”は
第三次世界大戦の様相を呈する
日本も
米海軍所属原子力潜水艦から発射された
大台ケ原への核ミサイル着弾
※注3 をもって
最終参戦
発射は正式な命令ではなかった
とされるが不明
長崎型原爆20倍以上の
威力のものが使用された。
度重なる念積体の
非局所性暴走事故による列強の衰退
軌道上から戦災がいくつも目視できるような
異常事態を経て戦争終結
唯一日本が念積制御の鍵を得る。
※注4
US昭和85年現在
発見から多大な犠牲と災いをもたらした
念積体は今もなお
完全制御はおろか実態の把握も許さず
ダモクレスの剣のように
力と戦慄を
人類の頭上に吊り下げ続けている。
- 『念積体制御、日本の奇跡』 -
につづく
※1 生物的な振る舞いを指しての表現であって
必ずしも炭素を含むわけではない。
※2 世界的な局所多雨地帯
1日で東京1年分相当降ることもある、雨の輪廻の地。
※3 熱核反応は
集合念積体(大童)に押さえ込まれた。
※4 列強での念積体連鎖暴走事件の背景には
多くの外国企業が関わった可能性があり
それら企業は母国の政府ではなく
戦後の日本に未来を託した為とも言われている。
B-36が選ばれたのは
念積流体ユニットの小型化が出来ず
載せられる適当な機体が
他に無かったから
爆弾は搭載していないと思われる。
史上初の高出力ビーム兵器。
※大げさに書いていますが
オカミキの世界では
バンバン使われている技術です。