みきみき、婚活を語る
「ちーちゃんみたいななぁー 結婚を真面目に考えるタイプは
婚期が遅れるんよ!」
宇宙のど真ん中でまた
みきみきが語り始めた。
艦隊付属校地球防衛科3年B組
ウルトラシスターズ
のメンバーは現在
全長70メートルほどの航宙艇
『ドラグーン・イージー』
に搭乗し
太陽系外縁部、
カイパーベルトの
外側にまでやってきて
生徒のみによる
操艦実習の真っ最中だ。
往復4日、全行程10日間の
スケジュールの中には
さまざまな訓練が実施されるが
その中心となるのが
時空コンディション測定である
広大な太陽系外縁部の調査を
訓練を兼ねて
カバーするのが目的であり
今夜(地球時間的に)も
シフトとなった美希と千早が
艇内の天体測定室に詰めていた
しかし1分も経たず測定そっちのけで
美希のおしゃべりがはじまる
それは星の観測から占いの話になって
運命の人の話に飛んだかと思うと
「ちーちゃんみたいななぁー 結婚を真面目に考えるタイプは
婚期が遅れるんよ!」
と、いきなりこれである。 「えー!」
いつものことだが
今日も美希に大きなお世話全開の
決めつけで無遠慮に言われて
ただただ戸惑うリアクションしか
とれない千早 「同世代の男がなー なんだかみんな
ガキんちょに見えてなー まぁ、実際オトコはみんな
ガキんちょなんやけど… それがちーちゃんは人より顕著でなー 結果、付き合ったりしてみても
どこか夢中になれなくて 結局仕事に生きていた・・・そんな時 仕事先のよく気がつくナイスミドルな
妻と3年生になる
女の子がいるディレクターに
コローッと!
コローッといってもうてな?」 「えー!」
「気がつくともう二十代最後の年
桜の花が終わり
新緑が萌える木々が並ぶ土手の小道を 幸せそうに手をつないで歩く
親子3人連れを見て 『あー、わたしも
あのくらいの子供が居て
おかしくない年なんだ・・・』 ってふと寂しくなるんよ」 「えー!」 「そして一人っきりのシンと
静まり返った暗い部屋に帰ると 二度と電話しないって決めてたのに
ああ!決めてたのに!
手が、手が勝手に 不倫相手のディレクターに
また電話しちゃう
そんな
ちーちゃんであった、まる。」
「ええー!」
こうして みきみきの妄想独演会は
今夜も果てしなく続くのであった。
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