みきみきとだんちゃん 『おいしいもの』
だんちゃん
「わたしにも くだーさいっ!」
美希 「だんちゃん こんなん
よう食べるかぁ?」 「たーべーるー!」 「お姉ちゃんねぇ、
これメチャメチャ美味しいからねぇ だんちゃんにもいっぱい
食べさせたいんやけどねぇ ちっちゃい子ぉ~に
あんまり美味しいもの食べさせたら
死んでしまうやろぉ?」 「しーねーへ~ん!」 「死ねへんかぁ? だんちゃんにこれ食べさせたら 『おいしいぃぃぃーーー!!!』
って言うて バターン!!!って
倒れて死んでしまえへんかぁ? お姉ちゃん、
だんちゃんが死んでしもたら
泣いてしまうでぇ?」 「しーねーへぇ~んん!!」 「ほんまかぁ? おまえ バターン!! と倒れて E.Tみたいに
しぃーろくなってカチカチになって ぼーいん(病院)に連れてったら 『なんでこんなちっちゃい子ぉに
美味しいもん食べさせたんよぉー!』
ってお姉ちゃん
貴志先生に怒られへんかぁ?」 「…………」 「『だって、だんちゃんが
食べても死ねへんって
言うたんやもんよぉ!』
って言うたら 『そんなんねぇ!小さい子がねぇ!
なんもわからんと
言うたからってねえ! いちいち大きい子が
メチャメチャ美味しいものを
ちっちゃい子に食べさせたら
アカンでしょー!』 ってお姉ちゃん
怒られたらどうするぅ?」 「ううぅぅぅ」
だだだーっと
洗濯物を畳んでいる
隣の部屋のお母ちゃんに
言いつけに行くだんちゃん
「おかあちゃん、
おねぇちゃん あんなことゆうー! ちっちゃいこぉー
おいしいものたべても
しねへんでなぁ!?」
オカンは
愉快そうに洗濯物を畳みながら
「どうかなぁ~? 死ねへんかなぁ?」 「しーねーへぇぇぇ~んん!!」 「そおかぁ~?」 「しーねぇぇーへんっ!! だってよぉ、あのよぉ!
きのうずっとまえもよぉ!―――」 「はいはい!
じゃあ、かしこにそこに
おっちんとんしなぁ」
「おっちんとん!」
これはおかしをもらえると
ぴょんと軽く飛んでから
座布団の上に正座の姿勢で着地する
ニコニコ顔のだんちゃん
「美希ぃー!
だんちゃんにも
おやつあげちゃってー!」 「はぁ~~~い」